TCL D857について引き続きレビューしていきます。
■ インテリジェントオート
本機の目玉機能のひとつ (?)
撮影モード中、ボタン一つで「インテリジェントオート」というモードに移行します。カメラ側で知的に状況判断して最適な調整をしてくれるらしいですが、具体的に何をどうしてくれるのかは詳しく説明されていません。「細かい設定を気にせず気軽に撮影できます」とのことだが、ホワイトバランスや露出、ISOのマニュアル設定がないことからそのあたりの自動調整であろうと思われます。
・・・通常撮影モードとの明確な違いとして、この撮影モード中は静止画も動画もどちらでも自由に撮れる状態になります。(通常の撮影モードだと静止画か動画かは別々にモードを切り替える必要がある。ただインテリオート中の静止画撮影は " キャプチャ " であるらしい。動画撮影モードの作動状態から1コマを撮り出す形なのだろう)
またインテリジェントオート中は「手振れ補正」「バックライト」などの設定が無効となるようです。
■ フレーム写真
もうひとつの目玉機能? これは静止画撮影モード時に方向キー(右)を押すとフレーム絵柄が切り替わり(6種類)現れたフレーム絵柄に被写体をうまく合わせる位置取りから撮影します。 要は、単純に用意されているフレームイラストが撮影する写真の最前面に挿入されるのみで撮影時にそのフレームの画像に合わせて人物位置などをうまくあてて撮影する必要があります。カメラには顔検出機能らしき機能がありますが それと連動して自動的にフレーム絵柄の位置調整してくれるというようなものではなく、ごく単純なものでした。
■ 3インチ タッチパネル液晶
ワイドタイプ 3インチカラー タッチパネル液晶を装備。
操作は本体の操作キーを使うか、もしくはこのタッチパネルからの操作も可能です。操作感や感応などは特に難もなく月並みなものかと思います。
■ バッテリー
型番 CNP-40-C の表記。おそらく NP-40互換サイズなのだろう。
(手持ちにNP-40型バッテリーがないので比較確認できませんが)
容量は公称 3.7V 1100mAh (4.07Wh)
きちんとTCL社の自社ロゴも入った日本語表記の謹製電池です。
■ LEDライト
暗所撮影のサポート用に LEDライトが内蔵されています。ワンタッチで点灯・消灯でき、明るさは目視評価でおよそ 20~30ルーメン級程度といったところでしょうか。真っ暗な状況でも手近な距離(1メートル以内程度)ならそこそこ実用的な照度が得られます。
■ 夜間モード
光量の少ない状況でもより明るく撮れるようにするモードです。おそらく露出を長く開いて撮影しているのだろうか? 通常より明るく映り込むようになりますが、実際のフレームレートが落ちます(カクカク、ズリズリしたり残像を感じる映像となります)また、手振れ補正と排他の機能であり、手振れ補正をオンにしているとこちらはオンにできなくなる仕様です。
■ バックライト
設定欄で首をかしげてしまう項目として「バックライト」というものがあります。内蔵ディスプレイのバックライト輝度調整もまた別に設定項目が存在するため紛らわしく、この機能はいったいなんだろう?となるわけです。
・・・この設定をオンにするとディスプレイのOSDに「人の形とその背景に太陽」を表現したアイコンが現れます。 つまりこのバックライト機能とは「逆光補正」のことのようです。HDRと呼ばれるような処理をしているのかはわかりませんが、とりあえず試し撮りしてみたところかなりはっきりした差をもって陰影部が明るく撮像されるようになりました。ただ明るい部分はさらに強く白飛びしているようにも見受けられるため、単純に露出か明度調整を上げているだけかも知れません。
■ DUAL CAM ・・・? ?
本体のモニタ部の外装に「DUAL CAM」のプリンティング文字があります。
一般的に「デュアルカム」とは、2基のレンズ部を持ちそれらが別個に撮影可能な機構のことを言うのだと思いますが、この機種にはそのような仕組みはなく・・・ また説明書にもこの文字列に関して触れている箇所はありません。・・・
特に意味はないが テンション上がってなんとなく付けてしまったロゴだろうか?
■ ビデオフォーマット(コンテナ形式)
生成されるビデオファイルのコーデックは H.264 + AAC なんですが、コンテナはなぜか .avi の仕様です。(この仕様は商品説明ページや説明書に明記されているものの、H.264を採用しつつ AVI コンテナ収容というのは組み合わせに必然性がなく今となっては珍しい)
・・・さほど古い製品(フォーマットが右往左往していたような過渡期の製品)ではないのになぜこの形式にしたのか謎ですが、この形式で不便な場合、映像・音声はそのまま劣化させずにコンテナだけ詰め替える変換はフリーソフトなど(例 : XMedia Recode など)で容易に可能です。
■ 静止画サンプル
静止画のサンプルです。クリックすると無加工の元画像 (5M pix) が開きます。

(5メガピクセル解像度 2592x1944、絞り値 f/3.6、露出時間 1/1267秒、ISO-200、露出補正-0、焦点距離 5mm) ※ 解像度以外はマニュアル設定不可。
・・・このカメラは有効画素数が500万のため、5Mピクセル(最低解像度)以外の解像度モード(~最大20M)はソフトウェア補間の撮影であるため画質の細部表現が低下していきます。よって静止画は5メガモードを推奨です。