・やはりWDRは「オン・オフ」逆なのか
前回、「WDR設定は オン・オフが逆なのではないか?」という疑問を述べましたが、その後サンプル撮影による検証を続けた結果、とりあえずWDRのオンとオフで異なる挙動が出ることが確認できました。WDRオンにすると撮影開始の立ち上がりでサァァッと段階的な明度調整をしていることが視認できます。対してWDRオフだとその挙動はなく立ち上がりから明度は一定に保持されています。
WiMiUS L3 / WDR機能の比較用ビデオサンプル。2シーン連結
※ WDR以外の諸設定は共通 (EV+0 / ISO - 200 / WB - Auto)
00:00~ WDR オン設定での撮影
00:15~ WDR オフ設定での撮影
オン時のこの挙動はいかにも何か作動しているような感じではありますが、この挙動が即ちWDRの作用なのかというとそうとも言えません。WDRとは関係ないカメラ側のデフォルトの明度調整である可能性があり、オフ時の静的な挙動こそがWDRである可能性が高いからです
このサンプル映像だと
手前の路面について着目すると「WDRオンで暗めの状態から明るく補正されていき」「WDRオフだとやや明るい状態で一定のまま」となります。路面の見た目だけで言うとWDRオン状態で撮影した方がやや明るく撮像されていますが、背景の建造物群に着目して見るとどちらがWDRらしい作用をしているかは明らかだと思います

建造物の陰影部分を見るとやはりこれはWDRとして作用しているのは「WDRオフ設定時」の側であるように思えます。(画像クリックでオリジナルの等倍画像が開きます)
こちらは手前の路面をクローズアップしたもの。WDRオン画像の方は立ち上がりの明度調整が終わって明るくなりきった状態のもの。WDRオフの方はそれに比べてやや暗く見えるが、一方で別の箇所の暗所は改善されているため相対的なバランスをとっていると思える
同様に、これまでの他のサンプルビデオなども吟味していくとやはりWDRオンにした撮影はコントラストの陰影が強調され暗い部分がより暗く見える傾向が強いです。WDRをオフにした撮影サンプルはこの点で劇的とは言えませんが幾らかマシになる感触があります。まぁ仮に私の疑問通りWDRの内部のオンオフ設定が逆だったとしてもこのようにまじまじと比較するまでよくわからない微妙な差なので製造者側でも間違いに気づきにくいのもやむなしかなとは思えます。また、もう一つ考えられるとしたらWDRオンとして実行するソフトウェア処理内容そのものが一般的なWDRやHDRと呼ばれるものと異なる内容に作られている可能性でしょうかね。(コントラストを中和するのではなくコントラストをより上げる処理をしてしまっているなど)
今のところL3でのベターなデフォルト設定として考えられるのは WDRオフ(これで実際にはオン?)、EV+0、ISOを適宜調整、ホワイトバランスは自動、こんな感じかも知れません。
※ ISOは上げるともちろん微妙に画質の低下を招きますが自動もしくは100固定だと全般的に暗めの撮像となりがちです。
・ループレコーディングの挙動
「循環録画」「ループ録画」「ループレコーディング」などと呼ばれる機能について本機の挙動。通常は当然オフになっており(その場合、生成されるビデオファイルは 25分間かもしくは 3.99GBに達した時点を1ファイルの区切りとして継続録画され続けストレージ容量が満杯になると録画停止となる)、オンにするとその際に指定した時間(3分、5分、10分)に従ってファイルが区切られ継続的に録画される。そしてストレージの容量が満杯になると最も古いファイルを自動消去して新しいファイルが継続して録画続行される。・・・ここまではまぁ一般的というか型通りの動作。
・・・そして区切られたファイル間の継ぎ目の状態ですが、ファイルが区切られると次の新しいファイルの冒頭は前のファイルの終末部分(1秒間程度?)が重複して収録されそこから継続して録画が続きます。そのため、ファイルの継ぎ目で連続撮影中の内容が僅かでも失われるということはありません。
ループ録画で作成したビデオファイルをそのまま順番通りに結合すると継ぎ目の部分は一秒間程度の同じ映像が二回繰り返されてから続行する感じになります。
・4Kビデオは本体再生では処理落ちする
本機で撮影した4Kモードのビデオデータをカメラ本体で再生すると大きく処理落ちします。微妙にコマ落ちしてるかも、程度の話ではなくかなり露骨にガクガクしたフレームレートになります(体感で 10fps以下という感じ) これは4Kモードのみの話で、2Kや FHDだとそれはありません。もちろん撮影データ自体は正常でPCなどで確認すると撮影データは 24fps相応の映像です。
この製品の4Kモードを重視する人や 撮影したビデオの観賞を本体再生に頼る人はそんなにいないと思いますが、4Kモードについて本体再生の映像だけ見て早とちりする人がいると何ですのでいちおうこの点を記述しておきます。
・バッテリー販売中止?
Amazon.co.jpの販売ページで最近追加されたばかりのバッテリー別売オプションがひそかに撤収され消えています。販売開始されたものの説明がなく商品内容が不明(バッテリー個数や充電器付属の有無など記載なし)で 1500円+別途海外発送の送料ということだったのでこのままではまぁ売れないだろうなとは思っていたのですが・・・。
多分、ここまでの販売は 中国の製造元で出来上がってきた在庫の一時的な即売でありこれから日本など各販売先の現地へ輸送し、改めて販売再開するのではないかなと思います。そうなれば商品内容が明示された上で送料無料になると思うので期待したいところ。
なお、同サイズの互換バッテリーには 1200 ~ 1300mAhのものも存在するようなので本当にそういった実容量が可能なのであればそういうものを売ってくれるといいんですがね。(L3付属電池は公称 1000mAh)