WiMiUS L3について実際に使ってみてわかったことを追記。
・ビットレート、データレートについて
まずは、撮影に関して各解像モードのデータレートから
※ レート値は細密ではなくおおよその目安の数値です
解像度
フレームレート
ビットレート
データレート (1分間)
4K (2880x2160)
24fps
約 24Mbps
約 180MB/1min
2K (2560x1440)
30fps
約 20Mbps
約 145MB/1min
1920x1080
60fps
約 20Mbps
約 145MB/1min
1920x1080
30fps
約 15Mbps
約 110MB/1min
1280x720
120fps
約 20Mbps
約 145MB/1min
1280x720
60fps
約 13Mbps
約 96MB/1min
1280x720
30fps
約 8Mbps
約 60MB/1min
VGA(640x480)
240fps
約 13Mbps
約 96MB/1min
・・・ビッレート値は全体的に意外と控えめ。まぁ画質自体はそれなりに悪くはないので旧来品、下位機種よりコーディング処理が向上していると見るべきか。ただやはりFHD-60fpsで20Mbpsは少なめな感は否めない(フレームレートの高いモードについてはさすがにこのビットレートだと動きが大きいと画質は落ち込む)。ファームウェアの更新があれば画質レベル(ビットレート配分)を選択できる設定項目ができるといいかも。
説明書などでは速いブランド品microSDカードの使用を推奨しているが、最大でも24Mbps程度だと単純なことを言えば Class 4 とかでもなんとかなりそうな話だしさほどその必要性は感じられない。(ただ本機はビデオ撮影しつつ一定時間おきに静止画も自動撮影するというようなモードもあるため24Mbpsが最大というわけでもなかった)
あと、昨今 軽視されている 720P/30fpsモードなんかは相応にデータレートがエコノミカルなのでちょっとしたメモ用の録画などに使い易いと思います。
・4K撮影について
4Kモードはビットレート表に記した通り、実際のビデオ解像度は 2880 x 2160 で生成される。これは アスペクト比 4:3 の 2160Pだが、地デジ放送ストリームのようにこれをアスペクト比 16:9に指定することで横に引き伸ばして 3840 x 2160 扱いのワイド4Kビデオとしているようだ。 ビットレート値が約24Mbpsと、4Kとしては少ないので不安を感じるが ソース段階の映像自体はネイティヴ解像のようで最終的には横解像引き伸ばしとはいえまずまず4Kビデオらしい精細感はある。 フレームレートは 24fpsということで見たところそれ相応の印象。負荷によって変動するかも知れないが今のところ目立ったコマ落ちは特に感じない。
・まさかのモノラル録音仕様
ステレオマイクを実装しているので当然 音声はステレオ録音されるものと思い込んでいたが、実際の撮影ファイルを分析すると音声はモノラル収録だった。設定に録音のステレオ・モノラル選択の項目などはなく、まさかのモノラル録音一択らしい・・・ よくよく商品説明を吟味してみると「デュアルマイク」と言ってはいるが「ステレオマイク」とは言っていないし、ステレオ録音されると明記している箇所もない・・・。単に2箇所のマイクで集音するというだけでまさかのモノラル録音仕様だったわけである。
個人的にアクションカメラの音声なんてものは「人が喋っているときに何を言っているかわかる程度の音質があれば十分」派なのでステレオでなくても音質がよくなかろうと支障はないのだが、「マイクを2箇所装備=ステレオ録音だろう」とそこをアテにして購入した人はかなり落胆するかも知れない。まぁハードウェアとしてはマイクを2つ実装してるわけだし、今後のファームウェア更新があるならばステレオ録音へのアップグレードがあるといいんですがね・・・
・バッテリーの持続時間テスト
バッテリーのもちが悪い、というレビューが散見されるのでこちらとしても一度バッテリーの持続時間を実際に試験してみた。測定条件は下記の通り。
・付属の専用バッテリー、初回満充電状態にて
・ビデオ設定 ・・・ 1920x1080 / 30fps / WDR-on / RSC-on
・パワーセーブしない(録画中も常時ディスプレイは点灯し続ける)状態で
・室内で固定放置で連続撮影(被写体としてテレビ画面を撮影させておく)
・・・結果、上記条件での連続撮影は
約53分間 でバッテリー切れシャットダウンとなった。
FHD 30fps撮影で60分もたないのは確かに短い。解像度・フレームレート・ビットレートが高くなればさらに稼働時間は短縮するだろう。これでは商品説明にバッテリーの稼働時間を明記できないのも頷ける。
ただパワーセーブ(スクリーンセーバー、一定時間でディスプレイを消灯させる)設定を使うことで多少延長は見込めるし、バッテリーの「馴らし」によっても向上する可能性はないでもない。まぁ電池は2個付属し電池交換による時計リセットはないのが幸いだが、用途によってはケーブル給電稼働を前提にした方がいいかも知れない。
なお、連続撮影における挙動については
・ビデオ連続撮影した場合、1ファイルは 25分間、または 3.99GBに達した時点で区切られる。(通常はどの解像度モードでも一律 25分間を区切りとするが、4Kモードの場合のみ 23分53秒くらいで 3.99GBに達するたため25分未満で区切られた。フォーマット形式のFAT32の制約がある為これらは適切な処理と言えます)
・バッテリー切れでシャットダウンした際、その時に録画中だったファイルは残存し保存されている(但し自動シャットダウンの処理が正常に行われる場合の話であり、バッテリーのコンディションが劣化した場合はこの限りではないと思われる)
・給電しながらテレビ映写もできる
何の話かと言うと、「microUSB接続で給電しつつ、microHDMI接続でテレビ出力映写できる」という意味です。この手のカメラは低価格品であってもマイクロサイズのUSB端子とHDMI端子を両方とも実装しているのはもはや当たり前なのですが、大抵はその両端子が近すぎてどちらかを挿している時はもう一方は挿せないというほぼ排他の状態でした。
しかし当機種は端子を一定の余裕をもたせて配置しているため、両方とも繋いだ状態で稼働が可能です。(但しそれでも使用するケーブル端子部の形状サイズによっては干渉する場合もありそう)
・自転車車載にてジャイロの効果のほどは?
結論から申しまして、
自慢の6軸ジャイロによるブレ補正機能は自転車での車載撮影時にも素晴らしくよく効きます。期待以上です。 2017年から投入が始まった六軸センサー実装しての新世代 EISは「手振れ」補正というよりは車両車載方面を意識した進化に思え、特に自転車・自動二輪などでの不規則・小刻みな振動の補正には強い恩恵を感じられると思います。
YouTubeにアップロードしたサンプルビデオを掲載します。御覧ください。
ハンドルバーマウントでの撮影です。あえて前カゴとその中のバッグを映像下段に少し映り込むようにして撮影してあります。揺れたり、時には跳ねたりもするバッグの挙動でジャイロスタビライザーの効き具合がよくおわかりいただけると思います。
(特に 1:50 ~ 2:35 あたりがジャイロ補正の見せ場です。ブレ補正なしやあっても微妙効果のカメラだとガタガタに揺れまくる地帯ですが驚異の安定映像を見せます)
VIDEO