私事ですが昨年、PC環境移行の際に一部ウェブサービスの管理ID・パスワードを失ってしまい、復旧できなかった本ブログは放置状態となっていました。申し訳ありません。最近ようやく復旧できましたので再開致します。WiMiUS L3 は販売もとっくに終息し、結局ファームウェアはリリースされずじまい、
WiMiUS社の新しい公式サイトからは製品情報すらも撤去されてしまっているようで・・・(アクションカメラのカテゴリ自体が製品一覧からなくなっている。販売終了した機種はともかく、L2など販売続行している製品があるのにこれはいかがなものか・・・)
WiMiUS L3についてはそんな情勢のようですが、当ブログへのコメント欄へ ぱた様 よりお寄せ頂いた情報にて同型他社製品のファームウェアがリリースされていることを知りました。
" TEC.BEAN T3 " というWiMiUS L3と外観・仕様とも同型とみられる製品に発売元より提供されているファームウェアです。ファイルをダウンロードして調べてみるとパッケージのリリースは2018年7月付け、実際のファームウェアデータの最終更新は2018年5月付けです。L3などの先行同製品のリリースから約10ヵ月間程度のフィードバックを反映した内容と思われるこのファームウェア、興味はあるもののリスクもある為、どうしたものかと迷いましたが思い切って更新を決行してみることにしました。(無論、自己責任・メーカー保証の破棄となります。まぁ保証期限はとうに過ぎていますが・・・)
-- TEC.BEAN T3 --
レンズ部周辺や外装のモールドデザインは異なるものの、フォルムや構造、そして詳細スペックはまさに L3らと同様の機種。やはりジャイロ補正機能が好評のよう。
TEC.BEAN アクションカメラ サポートページ
(マニュアル&ファームウェア ダウンロード)
上記リンクよりダウンロードし解凍、私の行った更新手順は・・・
(以下は結果的に更新成功していますが誤った手順です。正しい方法は後の赤文字の注意書きを参照してください)(1) WiMiUS L3 を「マスストレージ」として Windows10 PC へUSB接続
(2) 「FW96660A.bin」のみをWiMiUS L3のストレージのルートディレクトリ
(フォルダ階層の一番上)へコピー転送する
(3) Windows10 PCから WiMiUS L3 を接続解除、USB接続から取り外す
・・・そして、ここから WiMiUS L3 を起動すればファームウェア更新が自動で開始される可能性が・・・ と思ったのですが・・・
・・・PCとの接続を解除したL3のボタンを何度押しても起動しません。
インジケータランプもディスプレイもうんともすんとも反応せず。何度もボタンを押しては様子見を繰り返す。・・・応答なし。
「あ~・・・、やっちゃったかな・・・?」
不穏な空気となりましたがとりあえずmicroSDを抜いて起動してみる。すると起動した。
しかし、起動画面は見慣れた WiMiUS L3 のものとは異なっている・・・ 「!?」
そして日本語化していた筈のディスプレイの文字表示が英語表記に・・・
なんと、どのタイミングで書き換えられたのかわかりませんでしたが、ファームウェアは更新されていました。カメラのバージョン情報を参照すると、
「L3AUO-170628-V1.0 2017-06-28」 (WiMiUS L3 規定) → 「V1.0 2018-05-17」(TEC.BEANファームウェア更新後)に。バージョンは両者とも V1.0表記ながら、更新時間の表記が目的のファームウェアの更新日になっています。ファームウェア更新は成功したらしい。
・・・以上は誤った手順だったようです。正しい手順で更新したい場合、まず取り外した microSDカードへファームウェアデータをPCなどで書き込んでからカメラ本体へそれを戻して起動するのが正しい手順となるようです。更新後は再度 microSDカードを取り出しファームウェアデータを消去してからまたカメラに戻して完了となります。)

とり急ぎ、設定欄を一通り確認してみると元のL3から失われている設定機能はなさそう。勿論、日本語表記にも戻せます。
・起動画面/終了画面が変化
スキーをイメージした雪山の斜面を写したカット(文字の入っていないシンプルな風景画像)に差し替わります。L3規定の起動・終了画像は失われる。任意の画像 (432x240 Jpeg) を用意すれば好きなものに挿し替えることもできるようですが、しなかった場合はファームウェアが内包しているこの雪山斜面の画像に強制的に書き換わるようです。
ちょっと画質悪いですがファームウェア既定の起動画面がこういう感じです。
起動時・終了時とも同じこの画像となります。
・ビデオ撮影の解像度設定で低解像度のレパートリーが増えているWiMiUS L3 オリジナル既定と同様のビデオ解像度に加えて下記のモードが追加されている。なお L3は720P未満のモードは VGA 240fps のみ
WVGA (848x480) 30FPS / 約4Mbps
VGA (640x480) 30FPS / 約3Mbps
QVGA (320x240) 30FPS / 約1.5Mbps
・ビデオ撮影でのビットレート配分は変わらずテスト撮影したいくつかのビデオデータを調べましたが、4Kモードで約24Mbps、FHD60fpsで約20Mbpsと、L3既定と同じ。ここらへんには手が入らなかったようで変わらず。残念。
・WDR設定表記の問題設定でオンオフ逆だった問題はどうなっているか簡単に調べてみたが、同一地点固定で同一の被写体(物陰を含んだ風景)を撮影し重ねて比較してみたところオンオフでの効果の違いが全くわからず。引き続き要検証。
・「日付(と時刻)表示」をスーパーインさせた場合の文字列が「黒」文字に変わる。WiMiUS L3 はビデオ撮影に日付時刻のカウンターをスーパー挿入する設定の場合、その映像に挿入される文字フォントは白文字+黒ふちどり、スチル撮影は赤文字でふちどりなしでした。ふちどりなしのベタ黒文字はかなり見難い気がします。ここは改悪と言えるかも
・「明滅の頻度」設定が起動時に反映するようになっていた電灯照明などの電源周波数によるチラツキに対処する設定のこと。WiMiUS L3は設定しても起動時に反映しない不具合があったがそれは解消されていました。
・音声は変わらずモノラル収録のまま、音質も変化は感じられず。テスト撮影データから音声をよく試聴してみたところ、相変わらずノイズリダクションが強く効いた感じのこもった音質のままであり、トラックもモノラル収録のままであった。うーん、残念。
・PC接続でのウェブカメラとしての使用が安定Windows10へ接続してウェブカメラ(PCカメラ)として利用した場合、接続から少し時間経過するとカメラの認識が外れて使えなくなる不安定な不具合をL3では認識していましたが、ファーム更新後はこの問題が解消され長時間普通に使うことができました。
・Wi-Fi機能はカメラ側のSSIDとパスはTEC.BEAN製品として設定されているものに変わるものの、WiMiUS指定のアプリで引き続き利用可能なようです。
・TEC.BEAN T3の購入者レビューの中にはファーム更新によりバッテリー持ちがだいぶよくなったという話も出ていましたが私の手持ちのL3はバッテリーが既に大きく疲弊劣化しているためこの点は検証不可となります。
・・・以上、私の目で大まかに見ていったところだいたいこのような結果でした。
興味のある方は自己責任でどうぞ、となりますが 一部細かな不具合修正など確認できたものの、画質・音質などの点において劇的な改良はなく、また今回は発見できなかった未確認の不具合(カメラとファームウェアの相性問題も含め)が潜んでいる可能性もあり今のところはおすすめできかねると言うのが率直な感想となります。