・電池稼働時間実験Ⅱ
WiMiUS L3 付属バッテリーでの持続時間計測実験を再度、そして複数回行った
今回は同一の電池を同一の条件下で少しずつ設定を変更しながら「電池の稼働時間を延ばせる条件」を模索しながらの確認実験となった。
① まずは全力フルパワーで
セッテイング・・・ ( 1080P - 60fps / WDR -on / SRC - on / ISO - Auto / WB - Auto / EV+0 / Fisheye - off / Screen Save - off )
撮影モードは現在の主流であろう「フルHD / 60fps」にて、設定はあらかた負荷の高そうな機能も全てオンにし、録画中のディスプレイもつけっぱなしという遠慮なしのフルパワーモードでまずは基礎値を。バッテリー満充電 → 録画開始 → バッテリー切れ自動シャットダウンまでを計測。
→ 約33分だった。
これは同一の報告が他のレビュアーからもあった数字。電池容量に個体差的なものはさほどないのだろうと思わせる結果。さて、これをベースに少しずつシェイプしていく
(魚眼補正も当然オンにするという意向だったが、終了後にオフになっていたことが発覚。今回は魚眼補正設定は無視。以降も全て魚眼補正オフのままでの進行となります。)
② 次に ① と同じ条件から「Screen Save」をオンにして計測
「スクリーンセーバー (Screen Save)」は設定した時間が経過すると内蔵デイスプレイを自動消灯することで電力消費を抑える設定だ。本機は 2.45インチのワイド液晶にタッチパネル操作仕様である。これを切ればだいぶ延長が期待できるし画質や撮影設定には全く影響しない要素だ。この設定は最短の「1分」を選択しての実行(最後の操作から1分後に画面は自動で消灯)
→
約39分だった。
え・・・・・・・・・・・っ!? モニタの仕様的に(従来品比で大きめの液晶画面とタッチパネル仕様)実はここがかなり大食いなのではないかと見込んでいたが、思ったほどの大きな結果とはならず。
③ 次に、②と同じ条件から「WDR」をオフにして計測
スクリーンセーバーを有効にしたまま、さらに負荷の高そうなデジタル補正処理から「WDR」を切ってみる。これはシチュエーション次第ではあるが基本的に切っても実用に差し支えないケースが多い機能だ。さて・・・
→
約38分だった。
・・・・・・・・・・・・っ!?!? WDRはかなり処理負荷が高いと踏んでいたのでこれもオンとオフである程度ハッキリした差が出ると考えていたが、むしろオフにしたらオンにしてる時より稼働時間が僅かに短縮してしまう始末。・・・おそらくこの結果の数字はまぁ誤差の範疇であり、要はオンでもオフも変わらないという感じなのだろう。どうなっているんだ!?
④ 次に、③と同じ条件でさらに「RSC(6軸ジャイロ補正)」をオフにして計測
できれば ③ までの実験である程度大きな収穫があることを期待していた。しかし残念ながら結果はあまりに微妙・・・ やむなく、最も有用でいて最も処理負荷も大きそうな「RSC」をも切っての計測をすることに。本機はこの機能こそが目玉であり命なのでこれをオフにしての撮影というのはあまりに実用的ではない話だが・・・
→
約40分だった。
えーーーーーーーーっっっ!?
実際の効果がイマイチ明朗でないWDRに比べて、RSCのブレ補正効果は疑うべくもなく劇的なものであり、内部モジュールにはこの為にわざわざ6軸センサーを実装している。それゆえその内部処理はさぞや高い負荷を出していると思ったが、これまたオンとオフで電力消費の上では大した差が見られない・・・ う~~ん?
ただこの点に関しては「ジャイロ補正を使うことで電池の減りが特に早くなるわけではない」ということなのである意味嬉しい結果と言えるかも知れない
・・・それにしても、WDRとRSCを揃って切っても延びる時間はわずか 1分間程度・・・ この1分間という数字も誤差レベルである可能性があり「ほとんど影響なし」とも見なせる。これらの機能が実行している処理行程を考えるとこの結果には首を傾げる。設定でオンにしようがオフにしようが内部で処理は常に実行されており、設定状態に従って録画に反映させているかいないかだけの違いだったりするのだろうか?
⑤ 「1080P / 30fps」の場合
本機はブレ補正が優秀なので、30fpsでも比較的なめらかな映像が撮れる。処理負荷の高い 60fpsに必ずしもこだわる必要はない。そんな 30fpsでの撮影ならバッテリー持続時間はどうだろうか? それはすでに今回の実験と同じ電池で初回に計測している。
今回の実験の ① と同条件の上、解像度モードのみ変更、「フルHD 30fps」で計測した結果、
→
約53分だった。(同一電池で別日、初回満充電時の計測)
・・・さらに今回の実験結果で唯一明白な効果の出た「スクリーンセーバー有効」設定にした状態で今一度 30fps撮影の計測をしてみたところ(WDR、RSC設定などはオン)
→
約58分だった。
スクリーンセーバーを有効にすることで 30fpsでも 60fpsでもだいたい同じ 5~6分間程度の延長時間が得られるようだ。基礎値で 33分と53分の差があるのでこのスクリーンセーバーによる増分についてその比率分程度の影響は出るかと思ったがそれはなかった。
なんにしろ、30fpsにスクリーンセーバーを有効にしても 60分の壁を超えるには至らず。
・今回の実験 まとめ
・バッテリー持続時間を気にして使う場合、「スクリーンセーバー」を設定しましょう。これだけが唯一明らかな効果をもちますが それでも今回の条件(フルHDモードでの撮影)だと 5~6分間程度の増加です。
・こだわらなければ 60fpsでなく 30fpsにするだけでだいぶ撮影時間は延びます
(同条件で 33分 → 53分に、39分 → 58分に。)
・ WDR、RSC のオンオフにより消費電力への影響はほとんど見られない。おそらく同様に他のデジタル処理関係の設定項目も電力消費量に関して影響は薄いと推察できます。L3は単純に基本的な撮像・録画処理の電力消費が高い機種と言えそうです。
・充電器を流用
WiMiUS L3 基本セットだと外部充電器などは付属しておらず、本体での充電しかできないため従来品の充電器をお手軽に流用してみるテストを。そのままだとL3のバッテリーはサイズが合わないので入らないため、単に充電器側のガワを外して基盤だけ取り出した。
この充電器は WiMiUS Q1付属のもの。いわゆるSJ4000互換タイプで同類亜種にも幅広く利用できる。マイクロUSB入力で 1A入出力仕様。L3用バッテリーは縦横ともにほんの数mmの差で入らない。
というわけでガワを分解し基盤だけ取り出す。
なんとシンプル、充電器の中身はこれだけ。マイクロUSB端子、制御基板、電池接続端子がコンパクトにまとまっている。
このように端子だけしっかり接続して直接充電してしまう。LEDの青い発光は充電停止中(電池接続がないか満充電検知時)で、充電中は赤く点灯。
バッテリーの形状寸法は違うが電圧、容量レベルは同じだし同じような作り(端子部の設計は同じ)のリチウムイオン充電池なので電気的な仕様は問題ない筈だが、精密な安全性(双方の制御や保護の仕様)は不明なのでまぁ自己責任ではあろう。絶縁体の上に設置して無監視・放置はしないようにいちおう注意といったところである。
このタイプの充電器は1A充電対応のようなので本体で充電するよりだいぶ速いが、何故か満充電になる前に充電が停止するのできっちり満充電したい場合は仕上げは本体側でという形になる。どちらかの制御回路・保護回路の仕様による影響だろう。